非常食レポ:第77回
アルファ米パンの缶詰麺類とパスタおかず系汁物・スープおやつ・スイーツその他

おかゆ缶『こまちがゆ』を食べてみよう!

今回、試食する非常食は、こちらのおかゆの缶詰です。

おかゆ缶同商品は過去に取り上げたことがあるアルファ米のおかゆ【食レポ58】とは大きく異なり、既に完成している白粥を缶詰に入れているため、食べる前に調理する必要がまったくないという点が大きな魅力です。

しかし、一方で、おかゆ缶ならではの欠点もないわけではありません。

そこで、味はもちろん、非常時に重宝する備蓄食料かどうか、実際に食べて評価してみたいと思います。



おかゆの缶詰『こまちがゆ』とは?

おかゆの缶詰『こまちがゆ』を製造・販売するのは、秋田県にある〝こまち食品工業株式会社〟という食品メーカーです。

1987年(昭和62)に6人の農家で立ち上げた同社の主力商品で、ネーミング通り、秋田県を代表するブランド米〝あきたこまち(秋田県産)〟を原料に使っています。

また、『こまちがゆ』は、県の優良県産品に認定されているほか、平成6年には秋田県を代表する優良食品として出品された優良ふるさと食品中央コンクール(主催:食品産業センター)で、農林水産省食品流通局長賞を受賞したという実績もあることから、味の方も期待できそうですが、まずはいつものように容器チェックから始めていきましょう!
缶詰容器1
缶ラベルには、秋田県の米袋ではよく見かけるお馴染みの衣装、市女笠(いちめがさ)を被った秋田美人がプリントされた和風デザインに仕上がっています。

容器自体は、一般的なパン缶(← 長期保存可能なパンの缶詰のこと)などに比べると、一回りほど小さなサイズのものを使用していますが、ちょっとやそっとの衝撃では凹まない丈夫な硬さの缶詰なので、この点はパン缶よりも優れた強度をお持ちのようです。

缶蓋はプルトップ式なので、缶切りがなければ、いざという時に食べられないといった心配もありません。

一方、缶底には賞味期限(製造日から3年間)が記載されていますが、やや文字が小さめなので、この点は少し気になります(非常食は、長期保存がきくとはいえ、定期的に買い換える必要があるため、願わくば日付が目立ち一目で確認できるよう、もっとサイズの大きい数字の記載を希望したい)。

また、参考までに総重量も計測してみましたが、319g(内容量が280gなので、容器の重さは39g)と非常に重く、携帯に不向きな非常食であることがわかります。

しかし、『こまちがゆ』はアルファ米とは違って、水分を含んだ状態の食料なので、こればかりは仕方ないのかもしれません・・・
缶詰容器2
先ほど説明したように、『こまちがゆ』はイージーオープン缶なので、プルタブに指を引っ掛けて引っ張るだけですが、一点気になることがあります。

それは、先に掲載した容器画像【左から2枚目の缶蓋】をご覧になっていただきたいのですが、プルタブがペタッと倒れており、指先を引っ掛けるための隙間がほとんどなく、指が滑ってしまうのです・・・

しかも、蓋自体が少し硬いため、できれば、この点に関しては、もうひと工夫欲しいところです。
開缶
さて、悪戦苦闘しながらも、蓋を取り外した開缶直後の中身がこちら【上画像:中央】になります。

おかゆにしては、やや水分が少なく、全体的にノリ状になっているような気がしないでもありませんでしたが、とりあえず、おかゆの状態をよく確認するため、あえて器に移し替えてみることにしました。

が、しかし!

ご覧のとおり、容器を振ってもおかゆは一粒も出てくる気配がなく、固まった状態のまま・・・

これを、おかゆと呼ぶべきなのか、この後の試食に一抹の不安が頭をよぎりましたが、出てこないものは仕方ありません。
おかゆの缶詰1
スプーンで強制的にほじくり出してみましたが、いざ、掬ってみると、どうやら固いのは表面の一部だけだったようで、中に十分な汁気があることが画像からも見てとれるのではないでしょうか。

そこで、缶詰内で掻き回してみたところ、ようやく、適度に水分を含んだ見栄えの良い白粥の姿を取り戻しました。
おかゆの缶詰2
こうなれば、しめたもので、再度、容器を逆さまにすると、器に向かってトロトロと流れ出てきます。

器に移し替えた『こまちがゆ』がこちらになりますが、やや大きめのお椀を使っているので、1缶あたりのおかゆ量としては、なかなかのボリューム(1缶:280g/129kcal)ではないでしょうか。





『こまちがゆ』を食べてみた感想と評価

それでは、試食してみたいと思いますが、おかゆ缶『こまちがゆ』は、そのまま食べても美味しいとのことなので、まずは温めずに常温のまま食べてみることにしましょう!
常温のおかゆ
開缶直後こそ、水分が少なく、ペタッとした塊のような状態に見えましたが、一度、全体をかき混ぜてしまえば、その見栄えはアルファ米よりもふっくらとした瑞々しいおかゆといった感じです。

さて、気になる味の方ですが、のりと粒がしっかりと混ざり合っているため、変に水っぽくなければ、アルファ米特有のポソポソ感もないため、いい意味で普通においしいおかゆの味が楽しめます。

ただ、調味料を一切使っていないということもあって、米の味そのものがダイレクトに伝わってきますが、噛めば噛むほど米本来の甘みがしてくるかと思いきや、ほとんど甘みは感じられない・・・

さらに、常温のままだと、冷たく粒がやや固めの食感であるということも多少影響しているのか、非常に味気ないおかゆで、これだけで1缶食べ続けるのはつらいというのが正直な感想です。

つまり、常温でも食べられることは食べられますが、味については、あまり美味しくはないということです(あくまで私の意見…)。

では、温めたら、味はどう変化するのか・・・?
温め直したおかゆ
さっそく、茶碗に残った『こまちがゆ』にラップをして、レンジで温め直してから食べみたところ・・・

――――――― これはウマい!

常温のままでは食べづらかったおかゆも、温められると、米の甘みが気持ち感じられ、気のせいかご飯もふっくらと柔らかくなり、とろみも心地よいので、喉の通りがよく、だいぶ・・・というか、かなり食べやすくなっています。
梅がゆ
さらに、梅干しをトッピングし、梅がゆとして食べてみましたが、予想どおり、おかゆとの相性はバツグン!

完食おかゆ自体が無味に近い味なので、梅干しの塩気が、いい具合におかゆに溶け込み、味にしまりが出て食が進みます。

今回、取りあげた『こまちがゆ』の味に関しては、常温と温め直したものとでは、美味しさがまるで別物のように感じられ、温め直した方が断然うまい!という結果になりましたが、おかゆのような食料は嚥下機能の低下した高齢者や離乳食が欠かせない小さな子供を抱える家庭には欠かせない非常食なので、常温のまま食べるおかゆとしての味はいまひとつですが、おかゆ系の非常食を求めているような人は、一度、試食して備蓄するかどうか検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ



2015.12.8 掲載


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