非常食レポ:第96回
アルファ米パンの缶詰麺類とパスタおかず系汁物・スープおやつ・スイーツその他

市販のパックご飯を食べ比べてみよう!

packgohan1今回の食レポで取り上げる備蓄食は〝パックご飯〟です。

パックご飯はアルファ米に比べて賞味期限が短いという欠点がありますが、味に関しては、アルファ米よりも段違いに美味しいといった魅力があります。

そのため、非常食としての機能は総合的に見るとアルファ米商品に劣るものの、アルファ米特有の食感や味が苦手だという方は、万一に備えてパックご飯をいくつかストックしておくのも良さそうです。

というわけで、私の手元に賞味期限切れのパックご飯があるので、北海道のブランド米「ゆめぴりか」と「ななつぼし」を原材料に使用した商品を食べ比べてみたいと思います。
パック飯 アルファ米
賞味期限 約1年 約5年
保存方法 常温 常温
調理方法 電子レンジ or 湯煎 水 or 湯
価格帯 120~150円前後 300~400円前後
アルファ米よりも美味しい いまひとつ…
重さ
(総重量)
重い(一般:150~200g程度)

軽い(一般:110~120g程度)

天然水仕立てふんわりごはん(北海道産ゆめぴりか)とは?

富山県にあるパックご飯の製造販売が中心の株式会社ウーケが自社製造する「ふんわりごはん」シリーズのひとつが『天然水仕立てふんわりごはん 北海道のお米 ゆめぴりか』です。
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商品名どおり、北海道産ゆめぴりかを100%使用したパックご飯で、1食あたり200g(一般に茶碗1杯分150gと考えられているので、200gは大盛り1杯分程度)となります。
ゆめぴりかとは?

2008年に北海道の優良品種として採用されたブランド米。粘り気が強く柔らかいため、モチモチとした食感と噛めば噛むほど甘味が広がる味わいが特徴とか…。日本穀物検定協会が毎年実施している『米の食味ランキング』で、全国100を超える品種の中から7年連続「得A」評価(2017年度時点)を獲得するなど、その美味しさの評価は高く、高級料亭や飛行機の機内食(ファーストクラス)としても採用されている。ちなみに、ゆめぴりかというネーミングは、一般公募で寄せられた名前の中から選ばれたものであるが、その意味は、日本一、美味しい米を!と願う道民の〝夢〟と、アイヌ語で美味しいという意味をもつ〝ぴりか〟を合わせた造語。

※複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準として、5段階(特A:特に良好 / A:良好 / A´:おおむね同等 / B:やや劣る / B´:劣る)評価するランキング
私の手元にある商品は3食パック入り(400円前後)なので、単価は少し安く抑えられていますが、単品で購入する場合は140~170円前後の価格帯で販売されているようです。

賞味期限は製造日から常温保存で10ヶ月となっており、5年が一般的なアルファ米商品に比べると、商品の入れ替え時期に気を付けなければなりませんが、最近はローリングストック法と呼ばれる備蓄法も提唱されているので、日頃、パックご飯を定期的に食べているような方にとっては、賞味期限の短さはそれほど気にすることもないでしょう。
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パッケージには、調理方法や注意事項、栄養成分表などの基本情報が一通り記載されていますが、注目すべきは、パック飯は湯煎でも調理可能だということ!

そのため、たとえ電磁レンジが使えない状況下にあっても、火と鍋さえあれば食べることは可能ですが、15分程度の加熱処理が条件となっているので、この点は手軽さが求められる非常食としてみるとマイナス点かもしれません。






低温製法米のおいしいごはん(北海道産ななつぼし)とは?

一方、家庭用プラスチック製品の製造販売を中心とする企業、アイリスオーヤマ株式会社から独立したアイリスフーズ株式会社が製造販売するパックご飯が『低温製法米のおいしいごはん』です。

※補足:アイリスフーズ㈱は、業績悪化(東日本大震災による福島原発事故の風評被害も一要因)により、民事再生手続きに入った高橋フーズ(本社:岩手県)の事業を引継ぎ、生切り餅の製造と販売、その他加工食品販売を行っています。
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同商品もシリーズ化されており、今回、試食する北海道産ななつぼしの他にも「ゆめぴりか(北海道産)」や「つや姫(山形県産)」「こしひかり(新潟県産)」「ひとめぼれ(宮城県産)」などを原材料に使用したラインナップ【2017年2月現在】が揃っているようです。
ななつぼしとは?

2001年に北海道の優良品種として採用されたブランド米。モチモチとした粘りと甘味が特徴のゆめぴりかに対し、粘りや甘味のバランスが良いとされ、ご飯そのものの主張が強すぎないあっさり・サッパリとした味わいが特徴とか…。『米の食味ランキング』では、ゆめぴりか同様、7年連続「得A」評価(2017年度時点)を獲得している。ちなみに、マツコ・デラックスさんが某テレビ番組でゆめぴりかよりもななつぼしを絶賛していたことから、彼女(彼…か?)CMに起用されている。ネーミングは北斗七星をイメージしているが、ゆめぴりかと同じく、一般公募により命名された。
私の手元にある商品は『ふんわりごはん』シリーズのパックご飯と同様、3食入りで、価格は『天然水仕立てふんわりごはん(ゆめぴりか)』に比べると、気持ち安め(380円前後)で販売されているようです。

とはいえ、1食分の内容量が180gと少し少なめなので、価格の差はほとんどないように思われます(賞味期限も常温保存で約10ヶ月)。
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パッケージに記載されている基本情報によると、電子レンジと湯煎による調理方法は変わりませんが、原材料名をチェックすると、うるち米(北海道産ななつぼし)の他に『ふんわりごはん』には記載されていなかった酸味料が使用されています。

では、いったいこの酸味料はいったい何なのかというと、簡単に言ってしまえば食品添加物のことです。

パックご飯に使用する理由は、文字通りごはんに酸味(風味)を加えるという目的もありますが、酸化防止などの保存性を高めるという役割もあるようです。

身体に害を与えるほどの添加物が使用されているとは考えにくいので、個人的にはパック飯に使用されている酸味料を過剰に気にすることはないと思っていますが、最近は酸味料を使わなくても美味しさや保存性に支障がない製法も開発(ちなみに『天然水仕立てふんわりごはん』は酸味料などの添加物は不使用)されているので、酸味料などの食品添加物の使用が気になるという方は、パックご飯を選ぶ際、原材料名をチェックしてから購入することをお勧めします。




実食!『天然水仕立てふんわりごはん』と『低温製法米のおいしいごはん』を食べ比べてみた感想

それでは2種類のパックご飯を温めて、実際に食べ比べて見たいと思いますが、電子レンジで温めるには、加熱前にパックフィルムを点線まで剥がさなければならないため、せっかくなので、調理前のご飯の様子も比較しておきましょう。
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私は米作りをしている農家でもなければ、お米マイスター(日本米穀小売商業組合連合会が主宰する認定資格:米に関する幅広い知識や米の特性を見極めることができるプロ)でもないため、気の利いたコメントは述べられませんが、調理前のご飯粒の見た目に関しては、特にこれといって際立つ違いはないように見えます。

しかし、ひとつ大きな違いを感じたのはニオイです。

packgohan7『ゆめぴりか』のパックご飯は、フィルムを剥がしても特に香りはなく無臭に近いものがありましたが、『ななつぼし』は、開封するとほんのりと酸っぱいニオイがするのです。

気のせいかと思い、別のパックご飯も開封してみましたが、やはり『ななつぼし』は少しニオイがある・・・

おそらく、このニオイに関しては、原材料に使用されている酸味料が少なからず影響しているのではないでしょうか。

では、パックご飯の香りの違いが分かったところで、さっそく調理に入りましょう!

電子レンジでパックご飯を調理する場合、内容量こそ違えど、温め時間は一緒のようです。

というわけで、出力を500Wに設定した電子レンジできっちり2分間、それぞれのパックご飯を温め、食べ比べてみた感想を述べておきましょう。
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まずは、株式会社ウーケの『天然水仕立てふんわりごはん(ゆめぴりか)』から・・・
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『ななつぼし』に比べると、全体的にご飯が白く、ツヤもあるような印象を受けます。

米粒はほぼ揃っており、アルファ米のように潰れることもなければ、特に酸っぱいニオイも感じられません。

一口食べてみると、炊き立てご飯のようなふっくら感こそないものの、適度に粘り気があるため、ななつぼしに比べればモチモチとした食感と甘さが感じら(といっても、噛めば噛むほど甘味が口の中で広がるというような気にはなりませんでしたが…)、冷めても味や食感がそれほど大きく変わるということもありありません。

もちろん、言うまでもなく、アルファ米のようなポソポソとした食感や硬さにムラはなく、下手な炊飯釜で炊くよりもずっと美味しいご飯を頂くことができました。


では、アイリスフーズ株式会社の『低温製法米のおいしいごはん(ななつぼし)』はどうか・・・
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先に食べた『ゆめぴりか』に比べると、全体的にうっすらと黄色みかがって見えました(単に、光(照明)の加減?)が、やはり温め直した『ななつぼし』からは、ほんのり酸っぱいニオイが漂ってきます。

食欲が失せるほど強烈な臭いではないため、個人的にはそれほど気になりませんが、ニオイに敏感な人にとっては、美味しさの評価が変わってきそうな気がします。
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味に関しては、炊飯器で炊いた出来立てご飯のようなふんわり(ふっくら)とした食感は感じられませんが、どちらかというと粘りや甘さが控えめで、『ゆめぴりか』よりもあっさりとした味わい(ご飯の硬さも、ゆめぴりかより柔らかい…)です。

アイリスフーズ㈱の『ななつぼし』は、酸味のニオイが気になるといえば気になるパックご飯ですが、少なくとも味や食感に関しては、安定感のある普通に美味しいと思えるご飯なので、アルファ米が苦手だという人にも食べやすい非常食になり得ることは間違いないでしょう。
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以上、2社製品のパックご飯を食べ比べてみた感想を簡単にまとめてみましたが、個人的に好みの商品は、ウーケの『ゆめぴりか』の方です。

ニオイがなく自然なご飯であること、またアイリスフーズの『ななつぼし』に比べると甘みが感じられたことが、その理由として挙げられますが、甘みや食感の好みは個人差があるので、美味しさの優劣は難しいところです。

※補足:容器を比較してみると、アイリスフーズの方が米粒が容器に付きにくくなるような工夫(ディンプル加工:ゴルフボールのように、表面にドット状の窪みが無数にある状態)が施されています。
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ただ一つ言えることは、ニオイに敏感な方で、酸っぱい匂いが苦手だという方は、できるだけ酸味料などの食品添加物が入っていないうるち米100%の商品を選んだ方が無難かもしれないということです。
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2017.3.1 掲載


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